Story
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きっかけ、想い、希望。
1970年に失った地域資源「日向石」
江戸時代初期より神奈川県伊勢原市には日向石の産業がありました。
日向石は地域の古社寺の石造物などに用いられ、街中に活用されていました。しかし、1970年に産業が閉ざされ、現在、日向石は忘れ去られてしまっています。また、日向石製の構造物等は次第に御影石等に代わっています。この背景には、グローバル化や物流の変化により、他国から良質の石が安く入手できる時代となったことが大きな要因と言えます。他にも日向石の需要を支えてきた製品が、コンクリートなどといった安価で施工性の良い素材に代わったことも挙げられます。
趣ある街の風景が失われないように、先人が築き上げた歴史や文化を後世へと繋いでいきたい。
想いを形へ。
自然から生まれる新たな形
伊勢原市は神奈川県のほぼ中央に位置し、北西には大山があり、自然豊かなマチです。大山は丹沢表尾根の東端にあり、三角形の美しい山容から、古くから庶民の山岳信仰の対象とされました。
庶民は盛んに 「大山詣り」 を行い、現在でも大山のお祭りなど信仰の対象とされています。(日本遺産構成要素)
日向石の石切場は約350年前に大山の東側に位置するところに開発されました。大きな石切場が3つあり、現在はその1つから採掘された貴重な日向石を使います。
加工については石の個性を活かしつつ、職人が1つ1つ丁寧に作っており、同じものは存在しないものが生み出されます。